女性の頻尿について
頻繁に尿意をもよおしてしまい、生活に支障を感じる場合は泌尿器科への相談をご検討ください。特に就寝から起床までの間に1回以上トイレに起き、そのことで苦痛を感じる場合を「夜間頻尿」と呼びます。
また頻尿症状には、急に強い尿意が起こり我慢し難く感じる「尿意切迫感」を伴う場合が多くあります。
もちろん、その日の気候や食事・飲料の内容によっても尿意や尿量は変化しますし、もともとの個人差もあります。
従って、具体的な回数にかかわらず、ご自身が排尿回数や尿意の強さに不安を感じておられる場合はお気軽にご相談いただけると幸いです。
泌尿器科でよくみられる
女性の症状(例)
- 頻尿(おしっこの回数が多い)
- 夜間に何度もおしっこで目を覚ます
- 残尿感がある
- 検診などで尿潜血を指摘される
- 排尿時(排尿後)に突き上げる様な痛みがある
- 咳やくしゃみで尿が漏れる
- 外陰部に痒みや痛みがある
- 排尿前後で下着に血液が付着する
- 膣から丸いものが突出する様な感覚がある
など
泌尿器科を受診する
女性の主な疾患
- 急性膀胱炎
- 慢性膀胱炎
- 過活動膀胱
- 神経因性膀胱(神経因性排尿障害)
- 骨盤臓器脱(子宮脱など)
- 慢性骨盤痛症候群
- 尿路結石症(腎結石、尿管結石)
- 泌尿器がん(腎がん、膀胱がんなど)
- 泌尿器良性腫瘍(尿道カルンケル)
など
女性の頻尿の原因
- 過活動膀胱
- 尿路感染症
- 尿路腫瘍
- 神経因性膀胱(残尿が多いことによる頻尿)
- 多尿
など
女性の頻尿の治療
まずは問診で普段の食習慣や飲水習慣、生活リズムなどに偏りがないかをお伺いします。
水分の摂りすぎが原因ならば、水分摂取量を適切に管理することで改善する可能性が高いです。
水分量が適正なのに頻尿となっている場合は、尿検査で膀胱炎の除外をおこなった上で、膀胱の過剰な収縮を抑制するβ3受容体作動薬や抗コリン薬などの薬剤の使用を検討します。
また、これらと組み合わせて蓄尿容量を増やすための膀胱訓練や、尿を我慢する筋肉を鍛える骨盤底筋体操などの理学的治療をご指導することもあります。
頻尿症状に対しては、近年有効性の高い治療法がいくつか登場していますので、効果や副作用の出方をみながら、ライフスタイル合わせて治療目標を設定します。
女性泌尿器科疾患について
女性の泌尿器系は、男性と比べて尿道が短く、尿道口から膀胱への細菌の侵入を許しやすく、膀胱炎などが起こりやすい特徴があります。
また女性では、子宮や卵巣といった内性器を支えるための筋肉や靭帯の構成が男性よりも複雑です。
妊娠、出産や手術などによって骨盤底に緩みが生じると、それによる尿漏れや排尿障害といった症状も多くみられます。
これらは女性特有の疾患であり、女性なら誰にでも起こり得る症状でもあります。
当院では患者さまのプライバシーに配慮しつつ、少しでも不安が解消されるよう丁寧な説明を心掛けております。
また女性泌尿器科診療を得意とする近隣の医療機関とも密接に連携しており、必要に応じて精密検査や手術などの紹介対応も可能です。