腎移植治療について
- 2024.01.26
先日、島根大学病院での生体腎移植手術に参加しました。
島根でも臓器移植医療が行われていることをご存知ない方も多いようですが、腎臓移植は私が医師になった15年以上前より綿々と行われてきました。
私の思い出に一番残っているのは、医師4年目の2012年に山陰初の脳死ドナーからの腎臓移植のため、現在の大学病院長の椎名先生と一緒に真夜中9時間をかけ高知まで往復して腎臓を運んだことです。
腎臓移植は、通常の手術よりも多くのスタッフが関わる大仕事なのですが、多く手術が体の悪いところを取り除く目的で行われるのに対して、移植手術では一度は喪失した体の機能を再生させることができます。手術中に移植した腎臓から尿が出始めると、皆で普段の手術にはない安堵と感動を味わいます。
令和3年8月に東京女子医科大学、岡山大学などで腎臓移植を数多く成功させている和田耕一郎先生が島根大学泌尿器科の教授に就任されてから、移植手術の件数は増加しています。医師を目指す医学部の学生にも移植手術の見学は印象深い体験のようです。当日私は学生指導を担当し、手術の後半は助手として参加しました。
岡山大学病院と岡山医療センターからの経験豊富な応援医師の指導のもと、大学の若手医師が執刀しましたが、丁寧で淀みない手術で、移植直後からとても勢いよく利尿が得られました。
当院でも腎機能低下のある患者さんの相談、診察をお受けしています。腎機能低下が進行した方で、腎臓移植についてのより詳しい説明をご希望の場合は島根大学病院へお繋ぎいたします。
院長 安食