熱中症にご注意ください。

  • 2022.07.05

うそのように短い梅雨が明け、ぐんぐんと気温が上昇しています。

本日は泌尿器科医の立場から熱中症についてのお話しをいたします。

人間が暑さに慣れていく過程は暑熱順化と呼ばれ、初夏から本格的な夏になるまでに自然に体に起こってくる変化です。

しかし、最近では強すぎる冷房の使用や、今年のような急激な気候の変化によって、暑熱順化が上手くいかないまま夏に突入し、熱中症の被害に遭うケースが多くなっています。

「過剰な発汗」も暑さに体が慣れていないために起こる反応で、必要な水分や塩分、他のミネラルをまで体の外に排出してしまい、体調を崩す原因となります。

何をおいても大切なのは適切な水分(と塩分)の補給ですが、泌尿器科にかかっておられる患者さんの大部分を悩ませている「頻尿症状」と、水分摂取とはなかなか相容れず、よく夏季に水分を控えておられる患者さんに遭遇します。

中には「夏場は(発汗の影響で)頻尿が緩和されるので、快適です。」といった声まで聞かれるのですが、

思わぬ危険が潜んでいるかも知れません。

特にご高齢の方は、体の渇きに鈍感になっているため、自分で気がつかないうちに熱中症になってしまうことも少なくありません。夏場に頻尿が改善しても手放しで喜んではいけません。

頻尿をきらって水分を飲み控えるのは大変危険です。特に野外で活動する機会のあるお元気な患者さんは、頻尿に目をつむってでも、こまめに水分を摂るよう心掛けていただくことをお勧めいたしております。

院長  安食